2014/04/10

大麻の歴史

お洒落なポーズをキメて、マリファナを吸っている白人たち。
格好いいからと、欧米で大麻を求める日本人の若者が後を絶たない。
アムステルダムには大衆向けの大麻喫煙カフェがあり、ブラックマーケットを通さないクリーンなマリファナを楽しめるとして世界的に人気がある。

しかし、マリファナを吸う文化が広まったのはごく最近のことのよう。
ヒンドゥ・イスラム文化圏で神聖視され、吸引・飲食されていた大麻及び大麻樹脂が、19世紀頃に世界に紹介され、広まったようである
マリファナの聖地、ジャマイカ。
実は19世紀にインドから伝わった大麻が、ジャマイカの気候に適していたため、広く大衆に広まったらしい。
つまりマリファナ・カルチャーが一般化されてから、まだ200年経っていない。

1960~70年代、世界的ヒッピームーブメント。
それまではマイノリティの嗜みに過ぎなかったマリファナが文化となった。
近年、トリップ作用が向上している、いわゆるハイブリッド・マリファナ。
一説によると、世界中をを旅したかつてのヒッピーたちが持ち帰った種をかけあわせ、品種改良を重ねたものらしい。
もちろん、ヒッピーは日本にもやってきたし、日本にもヒッピームーブメントはやってきた。

では、それ以前はどうだったのだろう。
日本には古くから大麻が自生しており、大麻は日本の伝統的植物だという考え方がある。
戦後にGHQの陰謀により法律で禁止されるまでは、日本にもマリファナを喫煙する文化があったとして、日本人のアイデンティティを取り戻すために大麻合法化を求めるという、いっぷう変わった意見もある。

日本における伝統的な大麻は、嗜好品というよりむしろ農作物であった。
大麻には薬用型と繊維型の二種類がある。
古くから日本に原生していた大麻は繊維型でTHC成分が少なく、熱帯に自生するTHC成分の豊富な薬用型大麻とは異なっていた。
日本のような温帯気候でTHCの豊富なマリファナが育てられるようになったのは、品種改良が進んだためかもしれない。

七味唐辛子に麻の実が使用されていることは有名であるが、七味唐辛子にはけしの実も含まれている。このため、日本国外には「けしの実、麻の実を含まない七味唐辛子」が輸出されているようである。

また、大麻=麻、ではない。
亜麻(あま)、苧麻(ちょま)、黄麻(こうま)、ケナフなども麻である。
これらにトリップ作用はない。
煙草の吸引文化は室町時代にポルトガルより伝わり、嗜好品として広く日本に定着した。
あへんの吸引文化も室町時代、中国から伝わったとされる。
しかし、19世紀以前にマリファナを吸っている日本人が存在したという歴史研究や資料はなく、「麻酔い」が拡大解釈されたものとも考えられる。
奈良県の遺跡から出土した麻の種と卑弥呼との関連については、さらなる研究を求めたい。

古代より世界中に大麻の使用者が存在したとされるが、いずれもシャーマンであったらしく、広く一般大衆に愛されていたというわけではなかったようだ。
大麻喫煙文化はどこから来たのか。
おそらくインドであろう。
19世紀にイギリスの支配下におかれたインド。
白人のエゴがマリファナの普及に関与しているとの推測も可能である。

日本において大麻吸引が知られるようになったのは、明治維新の激動期。
19世紀に世界中に広まった医薬品としての印度大麻草(インド産大麻)が、たくさんの舶来品とともに日本に輸入されたのが最初であったようだ
残念ながら、その頃の日本人にとって大麻は、取り扱いのわからない困った薬草にすぎなかったとみられる。
資料を見ると、印度大麻草の副作用の項に、「幻覚」「興奮」「嘔吐」などといったマリファナの作用が列挙されてしまっている。
1930年(昭和五年)には世界的な麻薬規制の流れを受けて、違法となった。
当時の日本人に大麻が麻薬であるという感覚はなく、印度大麻草規制に関しては、特に反発を受けることはなかったようである。
第二次世界大戦後の1948年(昭和二十三年)に制定された大麻取締法に関しても、厳しい罰則を伴う現行の大麻取締法とは異なるものだったとされる。
マリファナを吸引したり、食べたりする習慣のなかった日本では、農作物としての麻には寛容な立場であった。

大麻の薬理効果について、最初に注目したのは心理学者だという。
1940年代にTHCの存在が明らかになり、1965年イスラエルの研究者によって大麻の薬効が発見され、注目された。
事実上、医療大麻が認知され、使用されるようになったのは1996年、アメリカ・カリフォルニア州だそうだ。
歴史的には20年経っていない新しい分野となる。
まだわかっていないことのほうが多いのだから、さらなる研究を求めたい。

文化から医療へ。
その可能性はいまだ未知数であり、無限大だということになろう。


【参考】

日本における「大麻」をめぐる言説と生産地域との関係性 
http://www.lit.osaka-cu.ac.jp/user/yamataka/fukuda.pdf#search=

大麻取締法 - Wikipeia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E9%BA%BB%E5%8F%96%E7%B7%A0%E6%B3%95

マリファナ(大麻樹脂)の歴史
http://www.airgreen.co.jp/hemp/hemp%20history.html

家紋の由来(麻紋)
http://www.harimaya.com/kamon/column/asa.html

印度大麻草の副作用: 嘔吐、頭痛、興奮、幻覚 (転載)
http://t.co/eaKUY6WllB