2014/02/24

統合失調症と医療大麻

複雑な展開の予測される医療大麻と統合失調症との関係について、考察していきたい。まず、統合失調症は人生を通じて闘わねばならぬ病いであり、残念ながら医療大麻で完治することはないとお伝えしたい。アムステルダムのコーヒーショップ(大衆向けの大麻喫煙カフェ)から幻覚や妄想、集団ストーカー被害を訴えてきた統合失調症者を複数確認している。THCやCBDの恩恵を受けているはずの彼らが苦しんでいる。医療大麻により、統合失調症の症状を軽減させることは可能である。その可能性とリスクについてここでご提言させていただきたい。

統合失調症(旧称:精神分裂病)とは精神病のひとつである。約100人に一人が罹るとされている。つまり、渋谷駅前交差点に三千人の通行人がいると仮定すれば、少なくともそこに30人の統合失調症者が歩いている、という理屈となる。精神科病院に入院されている方の大半はこの統合失調症の患者さんである。統合失調症は、おおまかに、十代後半で発病する破瓜型(不治の病とされる)と、三十代で発病する妄想型(寛解する可能性があるとされる)の二種類にわけられるという。症状は妄想、幻覚や幻聴による混乱や興奮、強迫観念、意欲の減退、自閉、不眠、自殺企図など。原因はわかっていない。遺伝性の疾患であるという説が有力とされているが、必ずしも遺伝しない。私の母親は統合失調症であった。ただ、私は統合失調症の可能性は低いとのことであるから、遺伝を免れたといえる。

私の母親は妄想型の統合失調症であった。結婚後すぐ発症し、自殺未遂に及んだ。まだ二歳だった私は育児放棄の憂き目に遭い、このようにおかしなウサギへと成長してしまったらしい。前述の通り、統合失調症には破瓜型と妄想型との二種類が有名である。後者は出産、育児と重複してしまうことが多い。二十代での出産が減っている現代社会において、今後取り上げられることは増えていくだろう。母の発症時にはまだ差別的扱いを受けることも多かった精神分裂病。その取り扱いに悩んだ父親が、母を世間から隠してしまった。私が母の病気に興味を抱いたのも必然と考えている。

太古から統合失調症者がシャーマンのような扱いを受けてきたいっぽうで、座敷牢に閉じ込められてしまっていた、という矛盾。彼らがなぜ古代より差別されてきたか。その原因は、理解が困難であるという一言に尽きるだろう。ご本人は至って真面目に悩んでいる。しかし傍から見ると理解できない。実体験からお伝えすると、自分のような幼い子供にも理解できなかった。精神障害は先進国に急増しているが、統合失調症者の全人口に占める割合は世界的に変わらないらしい。本当に難しい病気であると言わざるを得ない。著名人の殺害を行った統合失調症者が重罪を免れることがある。これは、ご本人もなぜそのような行為に及んだか、理解しようがないからである。統合失調症の患者さんの多くは、ご自身が統合失調症であるとは夢にも思っていない。専門的には病識(びょうしき)が無い、という言い方をする。統合失調症者が後にひどく後悔して、自殺等に及ぶのを防ぐために医療機関が存在している。

ネット上に飛び交う陰謀論や工作論、集団ストーカー被害(すべて統合失調症の症状という見方ができる)などを目にされて、理解に苦しむ方もおられるかもしれない。実は私は精神病院において、まさに陰謀論に悩みそれをネット上に訴えておられる患者さんを目撃してしまった。一概には言えないが、統合失調症に苦しむ患者さんたちがそうした苦しみをネット上に赤裸々に綴り、一般に広まってしまったのかもしれない。彼らは精神科薬や精神科医のせいでおかしくなった、と訴えがちである。病気のせいで症状が悪化しているという認識に至らないのは、彼らに病識がないゆえである。それを病気のせいだと言って止めさせることは人権擁護の観点からして不可能だ。だから難しい。

今後、医療大麻は日本の医療に革命をもたらすかもしれない。しかし、統合失調症や双極性障害、パーソナリティ障害などにかんしては、現状では完治には至らず、症状を軽減させることしかできない。世界中の精神科医が彼らを治せないという現実を鑑みると、医療大麻でも不可能である。CBDオイルの使用が、彼らの暴力行為を未然に防ぎ、隔離を免れたケースは確認している。CBDオイルが抗精神病薬の代わりになる可能性はある。これは極めて重要な発見である。だが統合失調症の原因が、当事者によって精神科薬や精神科医に繋がっている現状を考慮すると、混乱した彼らが医療大麻が原因でおかしくなってしまった、と主張なさるリスクも覚悟しなければならない。医療大麻が必ずしも世に歓迎されるとは思えないことを、ここに示唆させていただきたい。